O'BLD3726

 

築30年鉄骨造3階建ての2.3階のリノベーション.

1階は現在もオフィスとして使われている.

クライアントは来客が多いため、2階は時に1階と連動するセミパブリックな場とし、3階を家族のプライベートな室の集まりとしてレイアウトした.

信仰に厚いクライアントの精神を宿すに相応しい住まいにすべく、3階の上部に4層目、禅でいうところの空(empty)ともいえる余白の場を挿入した.

階を上ることにパブリックからプライベートへとグラデーショナルに用途も空間性も変化していく.

各層の雰囲気をあえてメリハリを持たせたるように切り替えることで、住人の気持ちもそれぞれのシーンに応じて切り替わるように意図した.

クライアントにヒアリングした際、「私たち家族は『かたまり』だと思う」というキーワードにヒントを得て、3階は引戸の開閉で大きな一つの場にも、それぞれの個室にもなるといった、集まりにも個にもなれるプランを導いた.

3階の天井には建物の両端を横断するスリットを切った.

これは秋分・春分の日の出日の入りを結ぶラインである.

太陽の運行、光の循環を日々の生活において感じることで、住まい手がこの世界の循環と共にある歓びを意識的にも無意識的にも享受できるように.

最上の層は精神と自然事象が共に在る場所.

意識は自然へと伸びていく.

用途 住居&office

構造 鉄骨造3階建

Completion 2018.3
三重県伊勢市

Photo:Hiroshi Tanigawa