2023.4.1
旅日記3日目

旅3日目 ケルンは3月だけど雪.

早朝、パン屋さんに出かけたあと、宿の窓から日が明ける.

ケルン駅前でタクシーをつかまえ、第一目的地まで.

雪.イラン系のドライバーが、木立が綺麗だ、と指をさす.

目的の建築が見えてきました.


設計 ピーターズントー 2007年 ブラザークラウス野外礼拝堂
自分たちの地域にも祈りの場所を、と望んだ農民たちと建築家がともにつくった土で固めた祈りの場です.


三角の大きな扉に入る.


天井のむこうは空.
この日は祈りの場に光と共に雪がしんしんと降りてきて、建築が祝福しているような気持になりました.

思いを馳せた場所にひとりで佇む.
僕も建築に祝福をしてもらっている.

スケッチをし、帰路.再びケルンへ.

この日2軒目の建築巡礼.
再びピーターズントー設計(2007年)の 聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館へ.
発掘された古代ローマの遺跡を内包する、2000年の時間をもつ美術館.
石を透かせることにより外壁に開けられた孔が館内遺跡部分に光を.
おそらく意匠的な意図だけに孔をうがったのではなく、展示室内と外気との空気の流通もかねて統合された建築.
孔も成形で整然としたものではなく、歪みや不均等が美しく、目に心地よく・・・.






体験し、体感してつくづく思った.
ズントーの建築、スケール感、素晴らしすぎる、こんなにも素晴らしいのかと.
僕は建築設計で人の体感、感覚が大切だと思っています.
ズントーの建築空間に入っていると、0.1%の粘度がある空気という水の中を快適に、気持ちよく泳いでいる感覚を覚える.負荷はなく、最適な空気のなか.
ディテール、階段の手すり、目地の切り方、寸法感覚、ドアの取っ手、ものの納め方、、全てがズントーの世界.
ズントーの感覚が物体となって現実に顕然する.
世界の頂を感じた建築体験でした.
しかと栄養に.

美術館を出たあと、となりのケルン大聖堂へ.

大きい・・・.


尖塔の高さ157mの圧巻の建築物.
この時代の建築家は、意匠、構造、全てを網羅した天才だったのだと思いを馳せる.
そして、800年前にこれほどの石の建築を人の手で積み上げ、つくることができた事実に、人間の力を感じました.
塔に登れるとの事前情報から、塔への登頂を旅の前から決めていました.
523段の階段を上りこの日あとにするケルンの街を眺めたく、受付へ.
小学生レベルの拙い英語で リュックを預かってくださいと 伝えると 受付の男の人が ニヤッと笑って NO.
こうなったら意地でも上ってやろうと、20キロのバックパックを背負って窮屈な階段をぐるぐる回りながら上る.

脚がつってきた・・・
でも上るのみ.

登頂.
ひとりよがりな満足感と達成感を満たしたあと、教会の前にあるケルン中央駅から南ドイツへの列車に乗り込む.






途中、フライブルクで乗り換え.
長閑な町.この町に堂安律がいるのかぁ、なんて思いながら.

列車に乗ること5時間.
宿泊先の宿に到着.
ビアバーに併設する民宿.
残念ながら食事の時間が終わっていて、この旅で初めてのビール.


一人旅に出ると、建築ばかり見ていて食事難民になることが常です。。。
それにしてもここの店主のおじさん、やさしかったなぁ。。。
4日目へつづきます.
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