2015.7.28
ぎふメディアコスモス
日曜日、岐阜市に最近OPENした話題の図書館、ぎふメディアコスモスへ見学に.
ぎふメディアコスモス 2015年開館 設計 伊東豊雄さん (図書館・複合施設)
内部に入る前、外観に規律を与える木製後付モールが構築したエレベーションには特に魅力を感じませんでしたが・・・、
エントランスから入って一階の複合施設となっているホールでも、あぁ、新しい空間、新しい木とコンクリートの香り、、と思った程度でしたが、、
正面の階段を上り、2階の図書コーナーにお出迎えされたときのサプライズ!!
この図書館は、グローブと名付けられた布地の傘が天井から吊り下がり、たくさんの居場所をつくっているのです.まずいきなりコレにお出迎えしてもらって、一気に気持ちが急高揚です.
この天井、勿論デザインだけの飾りではなく、木製三次元曲面のシェル構造という、これ自体が建物の主構造体となっています。
しかも県産材の木材で構築されています.超地産池消.
20層以上の木板をボンドとビスでつないで出来たうねった天井.
構造的に画期的、という建築学的満足を大きく超えて、このうねりが、天井の高低による居場所の性格、光の濃淡を生成し、素晴らしい空間、場所たちををつくりだしています.
そして、その木製曲面の天井の一番高いところから、光とともに優しくかぶさっているグローブがとても心地よい居場所をつくっているのです.
ファブリックというやさしい素材でも、建築空間をつくる重要な構成要素の一つとなる事を学びました.
そしてこのグローブ.
模様のパターンがそれぞれ違ったデザインになっています.
高い書架を設けず、見通し良くなるように計画されたのこの図書館で、遠いところからでもそれぞれのグローブが目印になるように意図されているものと思われます.
少し見学して帰るつもりでしたが、本とともにこの空間をゆっくり味わいたくなってきて予定変更.
グローブのある場所は森の中でポッカリひらけた光のポケットのような雰囲気でした.
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この場所は、曲面の白いファブリック内で拡散反射された安定した光で満たされていて、本を読んだりくつろいだりするのに、特別な聖域をつくっています.
グローブの高さが絶妙・・・.図書コーナーと離れすぎず、近すぎずの柔らかい分節.
私見ですが、公共建築、いわゆる箱モノは税金の無駄だ.と短絡的に意見が出てしまう風潮になりつつあると思います.
でもこの場所に来て、新しいから見に来たような方、学習コーナー(満員)で勉強されている学生さんたち、彫刻のような木の椅子で楽しそうなキッズコーナーの子供たち、僕が座っていた椅子の背後からは、『これはいいなぁ・・・。』と男女の声.老若男女まさに、みなさんに愛されている建築でした.
実利的にも有効に利用され、これからの可能性も、利用者の夢もいっぱい詰まった、市民の誇りとなるような建築.
1階には市民のアートギャラリー、(コンビニも!)正直、こんな図書館がある岐阜市さんがウラヤマシク思いつつ、ケンチクの夢見心地を体験した夏の日でした.
ひとと建築.しあわせな関係.
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所
米田雅樹 三重県 建築設計事務所