2019.11.19
みえ木造塾2019 第5回 太田猛彦先生
20191117 みえ木造塾第5回 講義.
太田猛彦先生.
『森林飽和』
『日本は戦前は広葉樹の森が豊かで、戦後は国策もあって植林がすすみ、現在はそのスギ、ヒノキの不伐採により山のバランスが崩れているなんて言われてるけど、江戸時代から人里近くの山はみんなはげ山だったんだ。
ほら、広重の浮世絵でもなんでも、緑で山深い山なんて描いてないだろ、みんなはげ山だったんだ。だって木しか資源がなかったから、燃料も何もかも木で、それで江戸時代3000万人暮らしていたんだから。それが、いまは電気を使うようになった、鉄を使うようになった。プラスチックを使うようになった。そしたら、木、切らないよね。』
なんとも衝撃的なお話でした.
でも、理路整然と、納得のロジック.
山の話、川の話、森の話、海岸の話.
やっぱり物事は分かちがたくつながっていて、
なんでも少しかいつまんで、それがすべてだと思っちゃダメなんだな、多面的に見て思考していかないと、と考えさせていただいた日でした.
『土砂崩れにも種類があって、表層型と深層型がある.植林で荒れた山で起こるのは表層型.深層型は日本においてしょうがない.
だって、先進国でこんなプレートに沿って国土があるの日本だけなんだもの。』
『生物多様性とは、今200万種以上の生物がいることじゃない。地球の生物40憶年の活動の結果、200万種あること、そのことなんだよ。』
なるほど、と思うこと然り.
すなわち、バランスすること.そのこと自体が自然環境なのだと思った.
200年前とちがって、現代は明らかに人間が環境要因のひとつになってしまっているので、やはり、自身たちでバランス、ということに意識を向けていかないといけない.
カキ養殖の畠山重篤さんの海と山のつながりの活動と、三木康夫さんの著書『内臓とこころ』とのつながりも感じた講義でした.