2014.4.30
ギュスターヴ・モロー
先日、東京へ行った際に、上野にある国立西洋美術館に行きました.
この建物は、日本国内に唯一となるル・コルビュジエが設計した建築として、国の重要文化財に指定されています.
以前にもここを訪れたことがありましたが、今回再訪した理由は、どうしても再会したい絵があったからです.
前回は、あまり時間がなく、第一の目的がコルビュジエの建物が見たいという理由であった為に、建物を見るための訪問となってしまい、失礼ながら所蔵品をじっくり鑑賞する事が出来ませんでした.
それでも、その様な時間のない中でもある絵の前からしばらく動く事が出来なくなりました.
しばらく絵の世界に吸い込まれた後、その日は時間がなかったので改めて調べようとその場をあとにしましたが、絵に関して一般的な知識しか持ち合わせていない自分は、迂闊にもその名を覚えきれませんでした.
その絵の事がしばらく頭から離れない日が続きました.
今回、再会を果たすことができ、しっかりと自分の中に刻んできました.
ギュスターヴ・モロー 1826年~1898年 フランスの画家です.
作品は主に聖書やギリシャ神話などを題材にしているとのこと.
牢獄のサロメ
薄暗がりと、蝋燭の灯.照らされた空間.素材と空気感.
その中に浮きあがる少しの彩色.
人の佇まい.
(この絵はヨハネの処刑を決めた王妃と、今まさに処刑されようとしているヨハネが描かれています.)
この絵で行われている恐ろしい事はさておき、構成、素材感、重心など自分の目指す建築の空気感に対して大きな天啓を受け取りました.
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所