2013.11.9

三分一博志氏講演「地球のディテール」

岐阜県 建築士会主催の講演会に行ってきました。
 
三分一博志さん 
 
『地球のディティール』
 
敷地、地域の個性 太陽 水 空気 風
 
環境、自然の摂理を建築に取り込み それらの素材を纏ったポテンシャルとデザインを兼ね備えた作品を作られています。
 
氏いわく 『建築は自然応用芸術』
 
600年前の棚田が人の琴線に触れる風景を創り、用途も兼ね備えた美を併せ持つ事などを例にあげられ、ある意味一旦環境破壊をしても、それから紡がれる建築行為の尊さ。人も空気も水も光も環境の一部であること。
 
環境破壊が問題になっているこのご時世のなか、建築に人の夢と希望を重ねる自分は、地球にとって建築をしないことが1番の最良解になるとは思いたくないと常日頃自問していたので、今回のお話で、答えの一つを見せていただけた気がして、勇気を頂けました。
(建築をしないことが最良解の場合ももちろんあると思います。)
 
良い建築は 人にとっても 地球にとっても よい建築である。
 
 
最後、質問の時間で、どうしても聞きたいことがあって、ドキドキしながらも挙手し、
 
「美しい自然と呼応する美しい建築がある一方、今放射能で人が住めなくなる脅威があり、自分は建築に携わる一人として無力感を感じている、環境建築の第一人者である先生は放射能についてどうお考えですか?」
 
としどろもどろに質問しました。
 
「自分は原子力発電所の機構もわからないし、自分の及ばないところを直接的にどうこうしようとは考えていません。
 
自分が建築家としてできることをやっていく。
 
自然エネルギーを素材にまとった建築をつくっている中で感じていることは、エネルギーは全てを電気に置き換えるだけじゃなく、ものすごい送電ロスを伴う発電設備よりも、状況に応じて適宜地球のエネルギーを直接的に使っていくほうが、理に適っているんじゃないか。
 
そういう感覚をみんなが持つようになって、視野が広がっていけばエネルギー問題はかわる。
 
 
水が高いところから低いところに流れるように、暖かい空気が上に向かうように、
 
自分ができる事、良いと思うことをやっていくことが、やがては森のようになって、
 
悪い方向にはいかなくなると思っています。
 
あなたも建築家であるならば自分のできる事、提案で社会にメッセージを発信したらいい。」
 
とご返答を頂きました。
 
途中、頭が真っ白になって、どぎまぎした、文章のおかしい質問をしてしまい恥ずかしかったですが、素敵なご返答を頂けて、お聞きできて良かったと思います。
正直有頂天で視界が白黒し、部分部分飛んじゃってますが、とても良い経験をさせていただきました。
 
ありがとうございました。
 
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                    米田雅樹 三重県 建築設計事務所