2016.3.26

世の中は偶然に満ちている

僕の月に一度の楽しみに、津市にある書店 『奥山銘木店』 にいくという行動習慣がある.
ここには建築をはじめ、料理、アート、旅行などの本が宝箱の中のようにぎっしりあって、ここに行くことがいつもとても楽しみです.
今月は、ここでこの本に呼ばれる.
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世の中は偶然に満ちている   赤瀬川原平
以前どこかで知る事があって、興味があった本に出合う.
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赤瀬川原平  1937年 ― 2014年10月26日  美術家・随筆家・作家
が生前1977年40歳から2010年73歳までつけていた 「偶然ノート」 を夫人がまとめた本.
偶然があった月日と、こんな夢を見た、という内容をそれぞれ【夢】 【偶】 と頭にしるしてみじかく綴っている、
ものをまとめてある.
興味津々である.
ちなみに、僕は赤瀬川さんの生き様に男としてとてもとてもシビれます.
有名ないわゆるニセ千円札裁判
赤瀬川は「千円札の表だけを一色で印刷」したものに手を加えたものを作品とし発表する。1965年、これが通貨及証券模造取締法違反に問われ、起訴される。弁護人には瀧口修造といった美術界の重鎮たちが名を連ね、話題となった。1967年6月の東京地裁の一審で「懲役3年、執行猶予1年、原銅版没収」の判決。上告ののち1970年に執行猶予つきの有罪確定。
Wikipediaより
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↑単色で製作した赤瀬川さんの作品.
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↑当時の本物の千円札
そしてこの裁判中、今度は本物のゼロ円札を製作するという、バイタリティ.センスの強度.鮮やかさ.
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そんな氏の半生の偶然を記録した日記.
少しずつ嗜みながら読んでいこうと思います.
この本と出合ったのも偶然.そもそもどこかであらかじめこの本の事に興味を持ったのも偶然.
そういえばこの本と出合った日、たまたま長男と入った公衆トイレの天井にある円形にくりぬかれた天窓が、今設計している住居のスケール感とリンクしていて、「やっぱり2400天井高のトップライトは身体的に心地よくないな」と思わぬところでスケールスタディができる偶然があったり、
この日奥山銘木店さんで二川幸夫さんが撮ったバラガン自邸の写真集に出合ったのも、僕にとっては嬉しい偶然だ.
最近、二川幸夫さんの本を購入する事が多い.
赤瀬川さんも二川さんも既に故人だが、本と向き合っていると、時間を越えて、書き手が、撮り手が、自分に実際に語りかけてくれているような感覚を感じる.
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所