2014.11.24
塊
時々急にラトゥーレット修道院を思い出す.
独特な造形が混じった建築がつくる幻想的な世界観はもちろんのことながら、
一番フォーカスされて甦ってくるのは水平窓をつくる、腰壁と垂れ壁の間に挿まれたコンクリートの塊の事.
とても綺麗な納まりとは言えなくて、ドロドロしている.
外から見ると、この塊が外部の表情の重要な部分になっている.
普通、この表現は思いつかないし、日本では構造的にも難しい部分はあると思うけど、
奇を衒う事を目的とするのではない、自由な発想と、感性の在り方の重要さを教えてくれる.
建築は、それがそのまま現実にカタチとなって顕れる.
世界が個人に夢想を与え、個人の世界が現実に立ち現れ、それがまた現実に及んでいく.
意識は境界を持たず、人にとって肌という最少の輪郭も、時間をもこえて、曖昧に滲み合う.
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所
米田雅樹 三重県 建築設計事務所