2010.6.6
御本様
お給料を頂き、妻から頂いた今月のお小遣いを握り締め、以前から我慢していた洋書雑誌を購入
・・・ふと、違う本棚から本に呼ばれた。
『檸檬』 梶井基次郎 約80年前に夭逝した作家の短編集。研ぎ澄まされた感性から(病気を患っていたことで死生観が達観し、自分の哲学が鋭くなっていたのでしょうか。)青春の葛藤と人間の内を描写している。
いやぁ、本は本当に呼んでくれるし、本との縁も本当にあると信じてしまう。素晴らしい繊細さ。
違うコーナーから 僕もここにいるよ。 と別の本が呼ぶ。
『マドの思想』 古谷誠章
一流の建築家が名作の建築のディテールを『原図を参照しながら!』読み解き、説明してくれる。
大先生達の手描き原図からは、すさまじいエネルギー、というか魂が伝わってくる。
私の家、幻庵・・・見たかった手法を垣間見させてくれる本。
見ていて感じるのは、本当に細部まで考えて建築を創っていらっしゃるんだという事。
細部までこだわるのは設計者の自己満足だ、と、何人もの先輩から聞いてきた。
だけど、だからしなくていいなんて絶対に思いたくない。
例えば、音楽。ただ聴くことを楽しむだけの私は、歌詞とかメロディだけしかわからないけど、人の心を惹き付ける曲にはかすかにしか聴こえないギターの旋律とか、色んな音が隠し味として随所に散りばめられているに違いない。
例えば漫画。読者は1ページ1分もかからない速さで読む。けれども、端々に行き渡った線の世界。
あくまでも自分主観ではあるけど、何をするにしても肯定的な言葉も否定的な言葉も当然ある。
尊敬するヒーローが言っていた。
『建築は20代30代の夢をいかにずっと持ち続けれるかが、一番大切』
状況がどうなっても自分の信じたことを信じながら勉強していきたい。
御本様、呼んでくれてありがとうございますだ・・・あぁ、でも、財布がしょっぱなからヤバイ・・・。