2022.2.5
想像の素
『夫、奇器を製するの要は多く見て心に気憶し、物に触れ機転を用ゆるを尊ぶ.譬(たとえ)は魚の水中に尾を揺すを見て舵を作り、翅を以て左右するを見て櫓を制するの類是なり.
されば諸葛孔明は妻の作する偶人を見て木牛流馬を作為し、竹田近江は小児の砂寺を見て機関の極意を発明す.』
(機巧図彙 細川半蔵 1796年)
人は物を見て、記憶と経験の総体の中から物をこしらえる.
自分の取り組むジャンルだけではなく、むしろそれ以外の、その作り手が備える好奇心の総体がものを作る材料であり土壌だと思う.
『形そのものにはオリジナルがありません.必ず何かを真似する.才質のない人は雑誌などのメディアを見て真似します.賢い人は人がつくったもの、それもなるべく無名のものを真似します.アントニ・ガウディのようなヘンな人は、木の形とか雲の形を真似します.天才でないとそういうものは模倣できません.』
『原理というものには非常に危険な側面があります.純粋な理論に忠実であろうとすると、生活に軋轢を起こします.人間はそんなに論理的な生物でも、高等な生物でもないんです』
(生きのびるための建築 石山修武)の言葉も示唆的です.
どこからの想像の材料であったとしても、一度自分たちの中で咀嚼、醸成して形にすることが大切だと思っています.
そうして出来たものは、自分たちから出てきた形であり、その過程があってこそ今そこにしかない形になりえるのだと思います.
自分たちから次はどんな案が出てくるのだろうと、楽しみながら考え、つくっていきたい.
(なかなか出口が見えないときは悶えつつ・・・)
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