2019.3.24

拝啓 石井修先生

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住宅遺産トラスト関西が企画された、石井修先生が1974年に設計された代表作のひとつ、『天と地の家』見学会へ参加しました.
26歳、夜学生の頃、建築家の自邸という本で、石井先生の地に埋もれ、植物と融合した自邸を見てから、自分の建築観の方向が決まりました.
それから、同じ本に掲載されていた憧れの人、竹原義二さんも石井修先生のお弟子さんであることを知って、系譜に胸が躍りました.
当時、先生の建築群がある目神山に妻と長男と出掛けて、先生がつくる建築と住環境の空気を感じ、思いを馳せました.
もうお亡くなりになっている先生と、今回、あの当時はまだ話せなかった建築の感受性と言葉をもって、この住居を通して対話ができた気がしています.
僕も屋上に寝っ転がると土と草の感触が先生に抱かれているようでした.
石井先生の建築を体感して、やっぱり僕はとても大きな影響を頂いていると実感しています.
2007年、12年前.当時すでに絶版になっていて探しだした先生の著書を読んだ後の自分の感想とも再会し、拙くて、少し恥ずかしいけど、当時の自分とも対話をした気持ちになりました.
ひとり帰り道、自分なりに、ですが、石井先生からも当時の自分からも、時間のバトンは受け取った、とふと思えて涙がでてきました.
そんな住み家を創れる建築家.
今、思うこと. 良い建物は、人に愛される幸せな建物は、人の心であったり精神を宿すことができる.
そんな建築をつくれる人間を目指します.
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