2014.12.17

暗なきところで逢えれば

 
 
 
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米田知子さんの作品集 「暗なきところで逢えれば」 を手に入れました.
 
 
主に海外で活動する米田さんの作品の多くは、写真に隠喩を含ませています.
 
 
例えば写っているのは、綺麗な青空、海へつづく道.
 
 
でもそこは70年前、サイパンで在留邦人玉砕があった崖につづく道であったり――.
 
 
 
 
 
誰も写っていない野球場.知覧.そこは終戦まで特攻出撃の基地だった場所であったり――.
 
 
 
 
 
他にも、谷崎俊一郎の眼鏡越しに、夫人に送られた手紙を写した作品があったりと、作品の奥に、時や思いのレイヤーが重なっています.
 
 
 
 
米田さんは作品集の冒頭にて
 
 
 
それは見えているのだが、見えていないということと同じかもしれない。
 
 
見えないということは見えていることに等しいかもしれない。
 
 
 
という一文を用いられています.
 
 
 
 
 
米田さんを初めて知ったのは2013愛知トリエンナーレのこの作品にて.
 
 
トリエンナーレのパンフレットには「戦争や災害や政治体制の変化などを経験した場所に潜む、可視化されない記憶や歴史をテーマにした写真作品で知られ、」と案内されていました.
 
 
 
 
 
 
《 川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ) 》 2004
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所