2015.10.26

水源

 
 
水源
 
 
 
アインランド(著 1943年アメリカ)  藤森かよこ(訳 2004年)
 
 
 
全1000ページ以上にわたる長編小説.
 
 
先日、半年かけて読み終えました.
 
 
時は1940年代、アメリカ.主人公 建築家、ハワードローク.
 
 
(主人公のモデルは建築世界三大巨匠フランクロイドライトともいわれています.)
 
 
 
 
シビレタ.
 
 
 
村上春樹的な絶妙な言葉の美しさがあるわけでもなく、文学的に優れた作品かどうかは僕には判断しかねますが、人間の(すくなくとも僕の)胸にガツンと響く作品でした.
 
 
 
1000ページある中の半分までは序章として頑張って読んでください.
 
 
それからは一気に展開します.
 
 
 
公私、仕事、プライベート問わず、公の為、と考え行動する事が美徳とされ、純粋に自分を主張する事はどこかエゴイスティックで悪いこと、とされる社会風潮(1943年ですでにそうだったのかと思う.)のなか、意地でも見栄でもなく、自然な魂の本能として自分を貫く姿、自分に嘘をつかない姿、人間の根源的な情熱、を読むものの胸に焼き付けてくれる作品.
 
 
 
 
ロークを見て、人間というものの可能性そのものを見る.
 
 
 
現実社会では、様々な局面があるので、まさにこの物語の通りに生きるのは難しい場合もあるだろうけど、この物語に感動する自分は絶対に離しちゃいけないと思う.
 
 
 
間違いなく生涯の聖書の内の一冊です.
 
 
 
職業の話だけでなく、人が生きる時間のなか、全ての事において、貫くということはとてもエネルギーがいるし難しいこと.
 
 
 
 
 
 
 
『君の精神のような精神に対する記念碑として建ててくれたまえ・・・。そうすれば、それは私の精神に対する記念碑になるかもしれない。』
 
 
 
 
 
 
 
今月は心をふるわせるたくさんの事や物に出会っています.
 
 
ご縁に感謝です――――.
 
 
 
 
 
 
 
 
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米田雅樹 三重県 建築設計事務所