2023.3.22

池原建築




池原義郎(1928-2017)が設計した建築物は「かっこいい」という表現がぴったり。



平面形や断面形はそこまで複雑じゃないのに、とても美しく洗練された空間。



以前どこかのブログで「縁を切ることを大切にしている」というキーワードを読んだことがあるけど、まさしくその通りだと思う。






能美市九谷焼美術館 浅蔵五十吉記念館。


学生のころからずっと行ってみたいと思っていたところ。







アプローチは一体何メートル飛んでいるんだとびっくりするキャンティレバー。



屋根の三角形が、来館者を覆うように入口へ導いてくれる。







建物内。展示室に入ると、一点透視の世界が。







視線の先(焦点)には大きな壺が展示されていた。







談話室も一つ一つが丁寧で絵になる。






帰り際。アプローチの三角形の屋根を見ると、夕日がこぼれて、雨樋を載せた構造物と、縁が切れていることが分かる。










入社してから随分と「物と物がぶつかるところのデザイン」を注意されてきたけれど。


これは「物と物がぶつからない」おさめ方を徹底している。


「物と物がぶつからない」から、そこに影ができて、美しく見えるのだと思う。




光が当たることで同時に影が浮かび上がる…表現方法が違えど、この前見たエジプトの石の彫刻と同じだ。




もっと自分も頑張ろうと思える建築。



スタッフ 阿部