2014.8.4
20140707~0712渡欧 4日目~5日目最終日 ユニテダビデシオン
最終宿泊地 マルセイユ ユニテダビデシオンに到着します.
ユニテダビデシオン 設計 ル・コルビュジエ 1952年竣工
コルビュジエは建物単体だけでなく、都市開発も計画、提案していて、この建物はその都市計画案を集合住宅として凝縮したものです.
337戸を有する集合住宅であり、各店舗、郵便局、保育園まで入っていて、屋上には子供が遊ぶプールや体育館もあります.
1人向けから4人向けまでの23種類の部屋があり、今でもたくさんの住人が生活しています.
また1961年から一部のフロアをホテルとしても運用し、予約をしておけば宿泊が可能です.
(僕は個人では予約を取り付けられなかったのでHIS津さんに手配して頂き、手配料込11040円でした(夕食別))
中廊下型のつくりなので、廊下に自然光はほとんど入りません.
ユニテダビデシオンの一人用の宿泊室は、ラトューレットの僧房とほぼ同じ寸法体系と配置、自然の取り入れ方でした.
建築プロジェクトの度に新しいものをゼロからつくるのではなく、巨匠も、やはり自分の奥義というか、磨かれた法則があるんですね.
鏡や家具、照明もコルビュジエの息吹を感じます.
今回の旅は節約の為、一日 1食~2食、パンやチーズ、水とジュースでやりくりしていたので、ここでは思い切ってユニテのレストランでディナーに挑戦...(65ユーロ)
素敵なウェイトレスさん.
支払いの時、僕と同い年くらいのカッコイイ料理長が出てきてくれて、
簡単会話ブックを片手に『とてもおいしくいただきました』と伝えると
大きな笑顔で、やはりカッコイイ顔で
『サンキュー ベリーマッチ!』
とお礼を言ってくれました.
文化圏は違っても、やっぱり人と人なんですね。。。
部屋に帰ると、すでに暗くなり始めていて、急いで屋上へ建築探訪に.
造形的な屋上.
18階建ての屋上からはマルセイユの海と夜景を見る事が出来ます.
屋上のエレベーターを降りた時に賑やかな音がしているなぁ、と思ったら、住人たちが数十人集まって、屋上の壁に映画を映し、上映会をしていました.
築60年経っても、こんなふうに使われていて、なんて幸せな建築なんだろう、と思いました.
屋上をあとにし、最下層へ
この建物の特徴のひとつ.ピロティです.(1階を柱で持ち上げ、駐車場、駐輪場にしています.)
このコンクリートの柱も四角ではなく、変形楕円で、ここにも生命感を感じます.
翌日、1番早い帰国の飛行機に乗るため、早朝に起きます.
・・・とついつい早朝にユニテの見学をしすぎてしまい、iPhoneのグーグルマップでマルセイユ駅まで歩いて行こうとしたら約5キロを45分くらいで行かないと、余裕をもってマルセイユ空港につけない事態になってしまい、大きなバックパックを背負い、朝から走る事に・・・.(昨日のディナーと自分に買ったコルビュジエのキーホルダーで散財してしまっており、タクシーに乗る事が出来なかったのです。。。)
1キロくらい走った後にこれはやばいと感じ、停まっていたバスの運転手に マルセイユスタジオン!?と言うと、前を指さしてもらったので、前のバスを待っていたシスターっぽい女性の方に マルセイユスタジオン!?というと、地下鉄を指さしてくれました.
マジか・・・。
海外初の僕にとって単独地下鉄はこの5日間敬遠し続けてきたのですが、やむなく挑戦が迫られました.
切符の買い方も、値段も読めない自分は、丁度掃除をしていたおじさんに マルセイユスタジオン、と懇願し、切符を買ってもらい、乗り口を教えてもらいました.
電車に乗る時も、マルセイユスタジオン??とケントデリカット風の優しそうな紳士に訪ね、電車が駅にとまるたびに、ここ?ここ?と聞き、なんとかかんとかマルセイユ駅に着きました.
無事胸をなでおろし朝から皆さんに感謝し、旅の最後に良い思い出を頂戴しました.
マルセイユ駅の朝.
ここからマルセイユ空港まで直通バスの切符を買い、乗車します.(8.2ユーロ)
最後に一難・・・
帰りの飛行機はマルセイユ空港から一旦アムステルダム空港に行く乗継便だったのですが、入港時にチェックし、案内された搭乗待合で待っていると、なかなか案内が始まらないので、心配になって乗り口の案内の男性に航空券を見せると、
『after』
と言われたので安心して待っていたのですが、フライト25分前になってもここの待ち場に人が集まって来ないので、もう一度案内画面を見ると(僕の乗る飛行機は確かにここになっています・・・。)
boarding
英語が全くダメな自分が恐る恐る携帯で和訳すると、
『搭乗』
!!!!
ヤバいと、今待っているところの案内の人に航空券を慌てて見せると、あっちの乗り場、案内されたところへ行くと、またさらに違うあっちの乗り場へと案内され、
(途中、空港内に僕の名前のアナウンスされること2回(おそらく))
そこへ行くとようやく筆記で40Bとさらに違う本当のところを教えてくれて、空港を端から端まで往復、走りに走り、なんとかフライト10分前に飛行機に乗れました・・・.
どうやらこの飛行機はどういうわけかモニターの案内画面が2段になっていて、(どちらも同じ番号だったかな・・・?)下の段の方へ正しい搭乗口ナンバーが記されていた模様です.じゃあ、僕の受付時の案内とこの航空券のGATE34の印字はなんだったんだろう・・・.
やっぱりなれない海外、怖いですね・・・.
余裕をもって到着したのに危うく乗り遅れるところでした.
帰りの便は運よく窓側でした.
フライトする事12時間30分.
帰り道、大阪から三重に電車で帰って来る途中、山間の集落を抜ける際、古い民家の瓦が銀色に光っているさまがたまらなく心にのこりました.
最後、松阪駅にとめておいた自転車にのって、自宅へ.
色々あったけど、短い海外一人旅.
人に触れ、文化に触れ、建築に触れ、自分に触れ、勉強になりました. たぶん・・・。
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今後このような旅をご計画される方へ、参考までに今回の旅の費用をメモします.
旅行期間H26/7/7~7/12(内ホテル泊4日 航空機内泊2日)
為替レート 1ユーロ→142円
航空券 往復166700円燃料サーチャージ込(HISネット予約)
国内電車 大阪 松阪間 往復7860円
フランス鉄道 バス計 36127円
ホテル代 59339円(内8779円は自分の失敗で余分)
タクシー代 40470円
各入場料 2201円
旅行保険 4480円
食事代計 13021円(1日1食~2食)
330198円
(お土産、小遣い、パスポート申請代別)
でした.
あと、携帯でネット通信すると1日4000円くらいかかります.
(僕はauでしたが、ショップに聞くと特別な手続きなしで海外で使えるとのことでした.契約によって違うみたいなので、詳しくはショップにおたずねください.)
それから、僕は今回まで知らなかったのですが、その国でもカメラや携帯を充電できる変換プラグを購入してくださいね.(Amazonで数百円で買いました.)
僕はもう当分いけないと思いますが、思い切って今回長年の夢を実現できて嬉しく思います.
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所