2016.4.10

20160409

20160409
静岡県のエムエースタイル建築計画さんのオープンハウスにお邪魔させていただく.
見学は夕方最終でお願いしてあったので、それまでは一人で建築探訪に.
今動いているプロジェクトと関連があったり、以前から関心があった建築をピックアップして向かう.
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墨会館  丹下健三 1957年
壁で囲まれたコートハウス形式の建物.
現在は地域の公民館として使われています.
以前は紡績会社の施設であり、周囲に建ち並ぶ工場の音から守り、プライベート性を保つために導かれた形.
三叉路に面した佇まい.壁の高さ、白とコンクリートの色の分節、壁の角がアールにしてあるところ(さらに壁の垂直方向にも傾斜がついていて)、ものすごくこの場にしっくりとした着地感がありました.
壁は上部にかぶさる構造と160ミリのスリットが切れていて、絶妙なシャープさと浮遊感.
内部を歩くと、このスリットの向こう(外部)の景色が動いて、受けとめるしっかりした壁、と変化のある160㎜の連続水平面のグラデーションが不思議な感じ.
たてものの肉質感、というか一種の生命感も感じて、まさに良い時代のRCのたてもの、でした.
続いて、確かめたいことがあって、ひとり明治村に.
明治村は2年前に名古屋の建築家吉田さんと訪れて以来.
独立して2年半、以前よりは建築について深く考えるようになった自分が独立当初に見たものをもう一度見たらどう感じるか、確かめに.
ある教会を友人がすごくいいと教えてくれて見に行ったけれど、当時はあまりそう思わなかった.
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その教会に再会.
結果、架構はすごいと思うけど、空間の力は感じなかった.
その事については自分の嗜好が大きいと思うけれど、自分が本来持つ直感的に感じる力、というのは思考云々でそう変わるものではない、ということを知り、自分の感じるように、正直に空間と向き合っていくことが大切なんだと気付く.
この建物を眺めていて、もし正面の漆喰壁がRCだったら、と思うと、すごくよくなる気がした、ということはやっぱり自分の空間判断は趣味嗜好が大きく、客観的な判断が出来ていないのかなぁ、と思ったが、
対して、初めて訪れた大明寺聖パウロ教会、入った瞬間、空間の素晴らしさが体に伝わる.
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立が抑えられ、繊細な木リブで構成された空間.
ここで、さっきの教会でも想像したようにもし漆喰壁がコンクリートだったら、と考える.
妙だと思った.(プロポーションが良いのでコンクリートでも美しいと思うが、漆喰の方が明らかに適している.)
通して思考し、スケール、空間に合せて、その素材が耐えうる密度があるのでは、ということに思い至る.
全体を通して、色々整理できた時間.
確かめたかったこと.
全体的に当時いいと思った空間はやっぱり良いと思ったし、そうではなかったものはそのように映った.
ただ、建築を掘り下げて考えるようになったことで、以前良いと思った空間が、自分がなぜ良いと思っているのかの理由を分析、解析ができてきている事にも気付く.
だから、設計をやる以上、自分の体感を信じなくっちゃ、と時間をまとった建物たちに教えられたよう.
アタマじゃない.
過信はいけないけれど.料理人が自分の舌を信じるように.
その後、新名神を走り、エムエーさんのオープンハウスに.
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川本さんが建築を構成する理論、やり方、とその思考が建築に立ち顕れる様を見せていただいた.
美しく整ったディテール、その思考から連続する建築.
設計者の数だけ考えがあり、つくり方があるということを改めて感じ、大きな刺激をいただく.
一日種々の建築を勉強し、浜松にてうなぎパイを買って帰路につく.
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所