2022.12.19

ヒアシンスハウスへ


立原道造さんのヒアシンスハウスへ.

大正3年に生まれ、後世に名を遺す詩人.

24歳にして夭折された詩人は建築家としても将来を嘱望された方でした.

その立原さんが自身が住むために計画していた設計を現代におこした建物が埼玉県の別所沼公園にあります.


ずっと訪れてみたかった建物に、東京出張に合わせて会いに行きました.

簡素な、でも魅力ある佇まいの小屋.





それぞれの方位に設えられた窓が絶妙.




















原案設計図.トイレの置き方も絶妙.

ベッドの横に収納を置くことで、くぼんだ落ち着く寝床を設える.


それぞれの窓はそれぞれのスケールの与え方、役割の工夫が響き合って素晴らしい効果を生み出しています.





枕元からいちばん大きな窓を見ると、収納の壁が窓に線を引き、外の境界がなくなって、環境が空気のようにこちら側に透きとおってきます.




ヨコ長窓以外の窓台、カウンターの高さがぴったり通っていて、人は高さの基準を無意識に知覚します.

その見えない基準線が周辺の森と室内(自分の居場所.認識)をより感じる仕掛けとなり、コンパクトなワンルームを心地よくする工夫となっています.



こんな小屋に暮らしたい・・・.





朝になったので 窓をあけますよー.

ベッドの横は奥行き30センチの出窓.

金物のぐるぐるとカーテンが風と太陽を描く.






かねてから小屋好きな僕は、この小さな名作に数時間滞在してしまい、美味しいものを味わった後のような満足感と、憧憬の念とともにこの建物をあとにしたのでした.





また会いたい建物.



またね!






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