2023.10.21

光りのバウンド







だいぶしばらくぶりになってしまいまして、すみません…。








この前ちょっと京都へ行ってきました。








京都市左京区、瑠璃光院。









ホームページのような写真が本当に撮れるのなら…。

と、ワクワクしながら向かいました。



https://rurikoin.komyoji.com/admission/



















はい、撮れます。私のスマホでも、ちゃんと。











2階には光沢のあるテーブルが置いてあって、それに外の木々が反射して写り込む仕掛けです。



たぶん漆塗りです。










室内に居ながらも自然環境を取り込ませようとした結果なのでしょう。











床の木板も同様に光沢のある塗料を塗っています。

テーブルと同じように木々が反射して写り込みます。

















一階の縁側は、木板とタタミとの組み合わせ。











木板部分の奥行きは短いですが、それでも自然が室内に入り込んでくるかんじを醸し出せるのだと、改めて勉強させていただきました。








また、縁側の幅は、広くおうちに使われている3尺(910mm)ではなく、4尺5寸(1365mm)という寸法を使っているんだと思います。




私たちの設計でも、当たり前のように910mmグリッドを使いがちですが、こういうひと工夫が美しい室内空間を実現できるのですね。











上記、一連の手法は個人的に「光のバウンド」と呼ぶことにいたしました。





















続いて向かったのは、蓮華時。







瑠璃光院から歩いて20分弱ぐらいです。










室内に入り、座敷から外を眺めると、柱が3層にわたって林立しています。











そして柱の落ちる位置が層ごとにずれることで、外の木々と呼応し、室内に居ながらも外の世界とのつながりを持つような見え方ができます。














柱に着目してみると、1層目(室内側)の柱は節が無く、黒塗りにされています。






2層目は少々節があり、ナチュラルな柱となっています。












そして、3層目(室外側)。節がたくさんあり、自然に自生しているかのような荒々しい柱です。












単なる柱でも、こうやって階層ごとに意味を持たせて、その色や質感を変化させることで、人の居場所から自然へ、内と外、というのを段階的に表現しているのでしょうね。




私なりには、柱の径(太さ)を層ごとに変えても良かったのではないか、とも思った次第です。
(例えば、室内側を太く、室外側を徐々に細くするとか…)










写真を見て気付かれた方もいらっしゃるかもですが、鴨居材の厚みも室内側から室外側にかけて、薄くなっていくのが読み取れます。















帰りは昨年NHKでも特集されていた、これに乗ってみました。












これからの紅葉シーズンを前に、少し先取りです。






スタッフ 阿部