2017.4.1
20170401
20170401
雨の日の朝.
お世話になっている方に、昨日届けてもらったナカオタカシさんの照明を灯す.
FRPでつくられたやさしい素材.
僕は工業高校を卒業して、このFRPの素となる強化繊維ガラスをつくる工場で働いていた.
そんなことから、このナカオさんがつくる作品に、とても親近感を感じるとともに、このなんともいえない不思議な魅力に惹かれていた.
今日は誕生日.
子供を授かってからとくに、自分の誕生日をめでたいと思うこともなくなったけど、勝手にこれは自分へのプレゼントにしようと思う.
今まで、節目となるタイミングでは、このblogにサムエルウルマンの『青春』という詩を紹介して、これからの鋭意を示したり、自分を鼓舞することが多かったけれど、年をとったのか、今の自分は、また違ったこの好きな詩をここに紹介したい気持ちです.
朝のリレー 谷川俊太郎
カムチャッカの若者が
キリンの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウィンクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
僕らは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
自分で言うことではないけれど、あいも変わらず、暑苦しいくらいのやる気ももちろんあるのだけれど、
今、37歳時点で思うことは、
そこですごす人たちが、この詩のような朝を迎えられる空間を設計したい.
静けさも、日々の喜びもそこにあるような.
そんなことを切に思います.
建築設計と向き合い、良い空間をつくっていけるように精進していきます.
2017.04.01 ヨネダ設計舎 米田 雅樹