2020.5.28
タナの家 上棟
先週のこと、ハレの日.津市 タナの家 上棟しました.
津市の高台.数十年前に造成された住宅地が敷地です.
この敷地は高さ9mの擁壁に載っていますが、設計当初、法令調査をすすめていくと、崖条例がかかっていて(開発で築造された擁壁ではなかった為)、実は敷地のほとんどの部分に新築建築物を建築できないことがわかったのと、建主さんのミニマムなご生活をされたいというご要望が重なり・・・
結果、細長い5m×5m.
延べ床面積50㎡.
塔のようなすまいになりました.
計画地は第一種低層地域で、崖条例のほか、日影規制や道路斜線など見えない建築規制ラインたちをかいくぐって、すっくと伸びたカタチです.
(本当は4.55m x 4.55mだったのですが、延べ床面積が50㎡を下回ると、ローンの融資条件が不利になるということで5mx5mに.そういう意味では日本の住宅事情の規制もかわしたわけです.)
今回の計画は建主さんが中古の家をご購入されてから設計のご依頼をいただきました.
建主さんと現地でお話していて、
ご主人さんから
『この建物の方が以前よりもこの場所に馴染んでいる』
という言葉がでられて、なんだかうれしかったです.
塔の周り.広い敷地.確かに公園の中にいるようなスケール感.
隣の公園の桜の樹々に浮かぶコンパクトな部屋たち.
それぞれワンフロア3方向に窓が開いていて、それぞれの方位で違った風景が楽しめるのです。。。。
公園の緑
里山と田園
津の街
1階は吹き抜け空間.他の階の天井高は2mちょい。。。
実は本年度、延べ床面積50㎡台の住まいがあと2物件続きます.
依頼者さんの大切な住まい.
僕にとってもずっと思い出に残る偶然の連作、2020年現代住宅、3部作だと思っています.
(村上春樹さんの青春3部作は風の歌を聴け、1973年のピンボール、羊をめぐ
る冒険でしたね)
戦後1952年 増沢洵さんの最小限住宅に敬意を抱き、住まいとご生活に思いを込めて.
ご夫婦と2人のお子さんへ.
Mさん引き続きましてよろしくお願いいたします!
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