2019.5.6

LE COORBUSIER AND THE AGE OF PURISM

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先月末、東京へ行った際、楽しみにしていた西洋美術館にて開催されているコルビュジエ展にも行ってきました.
個人的にコルビュジエの絵が好きで、自身が初の絵画作品と評した暖炉から、建築作品まで一堂に観ることができ、とても充実した内容でした.
僕がコルビュジエを見ていて常日頃一番勉強になっているのは、 『重なり』 ということです.
絵画においては、物体の重なり、色の重なりをピュリスムとして表現し、独自の世界をつくっています.
建築においては、建築の秩序(グリッド)、 と コルビュジエの世界観(造形・色彩・カーブ)の重なり.
秩序は厳格に守られているわけではなく、よく見るとプランに応じて柱を抜いたり、ズラしたりしています.
それが、実は無意識化に人間感覚に訴える要素の一つになっていると感じます.
そして、絵画と建築との重なり.
これがコルビュジエの世界を確固たるものにしています.
以前、熊野古道を世界遺産に登録する際にご尽力された三重県の先人からこんなお話をいただいたことを思い出します.
『その分野でうまい人はいっぱいいる.ほんとにいっぱい.それを活かすためには才能が一つだけではダメで、いくつもの才能の円の重なりが必要なんや.それが三つ重なったらナショナルクラス.四つ重なったらワールドクラスや.』
拙い想定かもしれませんが僕が推測するコルビュジエの円の重なりは
1・絵画
2・建築 
3・情報発信・自己プロデュース・文化の仕掛け(雑誌エスプリヌーボーの発刊) 
4・水泳で培った身体感覚・人体と対象を感じる力・フィジカル それがもたらすスケール感 
5・色彩・造形感覚 
6・アグレッシブな性格 
7・時代を読む力 
8・匿名的なものから分析し、自身の世界へ展開する力(船や工場の造形、また当時まだ知られていなかったミコノス諸島の集落の白い街並みからの着想)
思いつくだけでも8つ以上重なっているわけで.
それは時代を超えるわけです.(というか、建築の時代をつくったわけです.それがいまも続いていて.)
自分は何の円を持っているのか.
それをどう重ねて世界をつくっていくか.
もちろんコルと比べるのはおこがましいですが、いやむしろ手本にしながら僕は僕で自身と対話し、まわりと交感し、ものをこしらえていきたいと思っています.
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