2014.5.27
Sさんち 設備計画
現在設計中の伊勢市Sさんち。
景観が素晴らしいという事は前回ご紹介しましたが、
自然エネルギーを有効に使い、なるべく暖房に電気、ガスを使わないおうちでもあります。
自然エネルギー=太陽光発電だけではなく、様々な選択肢があります。
今回、冬期の主暖房については、薪ボイラーを採用しました。
各室の床暖房の熱源は全てこれでまかなえます。
一般的な薪ストーブより、燃焼効率が良く、一日に数回の燃料投入で暖房することが可能です。
それと、給湯。おうちのエネルギーの使用割合は、実は給湯に対する割合がいちばん多く、これは太陽熱パネル(太陽光発電パネルとは別物)でまかないます。メーカーさんと繰り返し打合せし、冬期でも5人家族のお風呂、シャワーの給湯量を確保しました。
太陽の熱の力は物凄く、少ない面積でたくさんのお湯をつくる事が出来ます。
ただし、衛生上の観点から、一日の予想使用湯量を計算し、一日で使い切れるだけの貯湯をする計画としています。
これで、機器トラブル等の緊急時以外、冬期や曇りの日おいても熱エネルギーに対してガスを使用しなくてもよいことになりました。
(もちろんバックアップとして、ガスでも給湯できるように回路を組みます。)
しかもこの太陽熱パネルも薪ボイラーも比較的リーズナブルです。
夏場は、風通しの良い立地に対して、通風を考慮した開口計画としているので、エアコンは不要です。
そして、太陽光パネルの生産時の環境性については、諸説いろいろありますが、現社会の構図的に初期投資に対する費用対効果が有利であれば、売電ベースであったとしても採用するという選択。
Sさんの思想が偏り切らず、きちんとメリットデメリットを冷静に判断し、各項を選択されているところが、僕自身もすごく勉強になります。
Sさんち。スタディ模型を今まで何十個と作ってきましたが、ようやく形とプランが決まってきました。
Sさんらしい、自然に囲まれた、遊具性と、展望デッキ的な性格を併せ持った自然エネルギーと共に暮らすおうち。
奥の堤防の緑と同化するように、建物も緑に埋もれる建築になります。
こちらも楽しみなプロジェクトです。
ヨネダ設計舎ホームページURL http://www.yonedasekkeisha.com
米田雅樹 三重県 建築設計事務所